小垣江町のホタル
農林水産省の補助事業である「農地・水・農村環境保全活動向上対策」(農地・農業用水等の資源は国民共有の財産です。)による地域の環境整備保全を図る目的で小垣江地区でも2007年3月27日に「小垣江地区の緑と水を守る会」(
(略称:緑水保全会)が設立されました。
緑水保全会の活動の1つとして小垣江小学校・小垣江東小学校と共に2007年より「ホタルの再生」に取り組んでいます。
ホタル再生の取り組みとしては、ビオトープの設置3ケ所(小垣江小学校内・小垣江東小学校内・小垣江公園内)、幼虫の育成と管理、幼虫の放流を行っています。
2009年・10年の6月には「ホタル観賞まつり」も開催されました。
詳しくは緑水保全会事務局のH氏が「小垣江の山車紹介ページ」にて紹介されていますのでそちらもご覧下さい。
以下の説明もH氏の「小垣江の山車紹介ページ」内の「小垣江地区の緑と水を守る会」を参照しました。
(画像はクリックすることにより別ウィンドウで大画像表示いたします。)
「小垣江公園内のホタル小屋」・「小垣江公園ビオトープ」・「折戸川」の画像は全て10年6月12日に撮影したものです。
「ホタルの飼育」は10年6月13日に撮影したものです。
小垣江公園内のホタル小屋

公園内のホタル小屋は09年に作られた小屋ですが火事によって焼失してしまいました。
そして新しく建て直されたのがこの小屋です。
以下はホタル小屋造に当り、ご協力頂いたみなさんです。
ビニールハウスの骨組み:長澤米寛氏
はざ杭:平野三郎氏・平野善弘氏・山田孝美氏・長谷川松治氏
畦シート:平野芳一郎氏

10年4月26日に行われたヘイケホタル幼虫放流会の様子です。
緑水保全会の第4部会ホタル再生主催で、小垣江小学校児童88人(4年生)、地域の役員等総勢139人が参加してヘイケホタル幼虫が500匹が放流されました。
同じ日に小垣江東小学校ビオトープでもヘイケホタル幼虫700匹が放流されました。
今回放流した幼虫は小垣江小4年生・小垣江東小3年生とホタル再生部会会員が1年間一生懸命育てた幼虫です。
小垣江公園ビオトープ

小垣江小学校児童からのお願いの立て看板があります。
「今の5年生が丹精込めて育てた、幼虫です。ロープの中に入らないで下さい、水辺に幼虫が上陸して土の中に潜っています、踏まないで下さい。池の中に石、物を投げ込まないで下さい。おねがいします。」

小垣江公園側の土手にアジサイが咲いています。
このアジサイは07年11月に明治用水土地改良区(水土里ネット明治用水)より頂いた挿し木苗100本を緑水保全会の第1部会営農の方々が植栽をし管理をして育てたものです。
10年3月にも40本程アジサイの捕植や支柱設置、環境整備が第1部会営農の方々によって行われました。
毎年、第1部会営農の方々がアジサイの開花前には土手の草刈りや清掃、開花後には花の取り除き・選定や追肥を行っています。
折戸川(小垣江公園横)

改修工事が行われ遊歩道も整備されました。
H15.4.1の「市民だより」より
準用河川折戸川改修事業:事業予算251,500千円
事業内容:河川断面を拡幅し、浸水被害の解消を図るとともに、魚類・昆虫類など自然とのふれあいを可能とする河川空間をつくる。
と書いてありました。

折戸川は農用地・住宅地・農用地・住宅地を流れている川です、農業の排水・生活排水等が
混ざり合っています。
07年より緑水保全会の第3部会婦人部の方々が各家庭で培養してきたEM液を水質改善のために放流しています。
EM菌をとは80種類以上の有用微生物郡(Effective Micro-organisms)の頭文字をとってEMと名付られたもので、この微生物郡(善玉菌)は悪玉菌の活動を押さえ込み、その
場を健全な状態に整え環境の浄化する働きがあり、パワフルな抗酸化作用を発揮する微生物です。

折戸川の生態調査
09年9月19日に緑水保全会、刈谷商工会議所との共同活動として「折戸川の生態調査」が行われました。
この調査で3回目になります。
当日は水生生物判定士の鉄崎幹人氏の指導の下、楽しく行われたそうです。
09年9月19日の調査で確認された水生生物:マハゼ・ボラ・コイ・ヌマエビ・モツゴ・オタマジャクシ・フナ
07年8月10日の調査で確認された水生生物:ハゼ・ウナギ・ボラ・コイ・スジエビ・ミナミヌマエビ・モツゴ・オタマジャクシ・ナマズ・ドンコ・ブルーギル・ブラックバス・ミドリガメ・ゲンゴロウ・カダヤシメダカ
ホタルの飼育
地元でホタルの飼育を行っているT氏の話を聞く機会がありましたので紹介します。
毎年放流しているヘイケホタルの幼虫は地元の方・小垣江小学校4年生・小垣江東小学校3年生が育てた幼虫です。
数が少ない時は刈谷の企業「角文株式会社」より分けてもらっているそうです。
(角文株式会社のサイト内に「ビオトープ・ホタル小屋日記」があります。)
飼育の概略は以下のようです。

成虫のホタルを湿った水苔の入ったネットに入れます。この水苔の中に産卵します。
ヘイケホタルはおよそ1匹で50個~80個の卵を産むそうです。
ネットの下は水槽になっていて孵化した幼虫が網目から下に落ちるようになっています。
水槽に落ちた幼虫を別の容器に移します。

孵化した幼虫を飼育する容器です。
水温が25℃以上になると死んでしまうので温度管理と水の汚れに注意することが重要とのことです。
容器の中には植木鉢の破片や竹などの隠れ家がいれてあります。
餌はカワニナ・ヒメタニシ・丸タニシをあげますが、幼虫が小さいので潰してあげます。
本当はカワニナの稚貝が良いのですが、カワニナ自体を手に入れるのが難しいそうです。
ヘイケホタルはカワニナ以外のタニシも食べるので比較的飼育しやすいそうです。
(ゲンジホタルはカワニナしか食べないそうです。)